昨日は「秋分の日」。先週までの35℃以上の酷暑日続きから、急に秋がやって来たような感じです。CASA私道花壇のキバナコスモスは、今夏の暑さと大雨のせいで例年より背が高く2m超に育ちました。私道花壇は、幅50cm・長さ20mと細長いのですが、ここにキバナコスモスが咲くと、黄色いじゅうたんを敷いたようできれいです。地域の方々も、「まぁ、きれい!」と立ち寄ってくれます。私道入口そばに白いイスを2つ置いて、誰でも一休みできるようにしていました。白いイスは、キバナコスモスをバックに置いていたので、イスに座って花と一緒に写真を撮っている方々も多くいました。その光景は、太陽の陽射しをいっぱに浴びて、夏らしくいい感じでした。
ところが、9月に入っても暑さが続き太陽光線も強かったので、イスの場所を反対側に移してみました。反対側はお隣の建物が日陰を作ってくれていたのです。方角でいうと南を向ていたイスを北向きにして、約5mお隣の家側に移しました。するといろいろな効果が現れました。先週、ご近所の方が、自宅農園で作った立派なゴウヤを持ってごあいさつに来てくれました。「イスをいつも使わせてもらっています。暑さを気遣って日陰に移してくれたのですね」と。「こちらこそイスを使っていただき感謝です。もっと早く気づけば良かったのですが…」と答えました。
その数日後、ボランティア仲間が訪ねて来てくれました。その時に、何気なく私道入口のイスに案内し、そこでいろいろな情報交換をしました。座ってみて改めてその良さに気づかされました。まず、キバナコスモスが正面に見えてきれいです。細長い私道なのでわずかな風も爽やかに流れます。座っていると近所の商店のおかみさんなどが通り、笑顔であいさつと一言二言交わしました。すぐそばを通る電車の音も心地よく響きます。そんな時空で自然と話題が広がり気がつくと1時間を過ぎていました。地域から消えてしまった昔の「井戸端」のような「何か新しい居場所」の小さなヒントが生まれたように感じました。
そして、今まで2つだったイスを3つに増やしました。「毎朝のあいさつ」でも開かずの踏切が閉まっている間、子どもたちが一休みして笑顔で雑談しています。今までよかろうと思って置いていたイスの位置を
反対側に置いてみると、新たな発見がありました。世の中にはこれと似たようなことが多くあるのではないでしょうか?
反対側から見ると新たな発見があったりします。CASAでは、子どもたちと「モノの見方(視野・視座・視点)」について勉強・訓練を楽しんだりします。今回の
「モノの見方」の具体例を子どもたちと共有したいと思います。
「元のイスの位置」と「反対側に移したイス」の写真を載せておきます。
小沼 好宏